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心療内科では、ストレスなど心理的なことが原因となって、からだの症状が出る「心身症」の診療を受けられます。具体的には摂食障害(拒食症や過食症)、過敏性腸症候群(ストレスによる便秘や下痢)、繰り返す頭痛、パニック障害(突然の息苦しさ、めまいなどが起こり、強烈な不安感におそわれる)などについて相談ができます。どんな年齢の人でも受診することができ、中学生や高校生ぐらいの年齢の人もたくさん受診しています。医師や臨床心理士に自分の悩みや困りごとについて話すことができ、各種心理療法や必要があれば飲み薬の処方を受けます。
精神科では、こころの症状や発達障害について診療を受けられます。長く続く気分の落ち込み、物事に集中できない、死にたくなる、衝動がおさえられない、といったことを相談できます。また、学校に行きたいのに行けない、リストカットなどで自分を傷つけたくなる、ネットやゲームから離れられず他のことができなくなる、市販薬などを大量に服薬したくなるなど、自分ひとりでは解決するのが難しいことへの手助けも受けられます。どんな年齢の人でも受診可能ですが、小学生、中学生、高校生は児童精神科を受診することで、より年齢や発達に合わせた専門的な診療を受けられます。医師や臨床心理士に自分の悩みや困りごとについて話すことができ、各種心理療法や必要があれば飲み薬の処方を受けられます。
SNSはソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で、登録者同士が気軽に交流できる場であり、交友関係を広げたり深めたり、情報を広く得たり発信したりできるメリットがある一方、現実と同様に人間関係の悩みが生じるといったデメリットも挙げられます。SNS上で展開される人間関係の難しさとどう向き合えばいいのか、SNSトラブルに詳しいジャーナリストの池上正樹さんに話を聞きました。
表情や感情が見えない怖さ
スマートフォンやパソコンを使って登録者同士が気軽にメッセージや画像を交換できるSNSには、LINEやInstagram、X(旧Twitter)、TikTokあるいはFacebookなどが挙げられます。
リアルな世界での知人との関係を深めるために、日常的にこれらのツールを使っている方も多いはずです。友人同士やクラス、部活動などのコミュニティーでグループをつくり、SNSで情報交換するのも当たり前の“付き合い”になっています。
総務省の「令和4年通信利用動向調査の結果」によると、「SNSの利用状況(個人)」では13~19歳の令和4年のインターネット利用者に占める割合は90%を超えています。同調査によると、「SNSの利用目的(個人)」の多くを占めるのは「従来からの知人とのコミュニケーションのため」であり、SNS利用者の88.6%が現実の世界での知り合いとやりとりするためにSNSを使っていることがわかります。
そんなSNS上で起こった人間関係の悪化やいじめなどの事例を、池上さんは多く見てきました。「コミュニケーションの幅が広がるのはメリット」と話しながらも、「SNSでのやりとりが原因で実生活に悪影響を与えてしまうこともあります」と指摘します。
「グループLINEなど、SNSは集団でのやりとりが前提になっていますよね。直接伝わりやすいために距離が縮まりやすくなる一方で、お互いの表情や感情が見えず、リアルな世界だったらなんでもない一言が相手の反感や嫉妬を買う可能性もあります。スタンプや画像等も含めた不用意な投稿がきっかけで、言葉の攻撃を受けたり、その子にだけ誰も反応しないで既読スルーされたり、内々で簡単に仲間外れにできる怖さもあります。SNSでそのようなことが繰り広げられていたら、そのメンバーとリアルな場で顔を合わせるのも怖くなってしまいますよね」
その先にいる相手の存在を認識しよう
そういったトラブルを避けるためには、その先にいる読み手の存在を認識して発信することが重要です。そもそもSNSは、同じような考えを持つ者同士で仲間意識を確認し合うことに機能が特化しています。一方、異論や敵対するものは排除されていく面があります。ほんとうは違う意見を持っていても、多数派の中にいたほうが安心できるという心情から、一生懸命しがみついていることがストレスになることがあります。
そう感じることがあったなら、ちょっと考えてみてください。自分が発信するということは、それを受け取る相手がいるということ。その逆もしかりです。SNSで情報に触れるときは、その先にいる相手がどんな気持ちでこの投稿をしているだろうか、この投稿を読んだらどんな気持ちになるだろうか――想像をめぐらせてみてください。そして、もし誤解が生じているかも、と思ったら、リアルの場できちんとコミュニケーションを取り、誤解を解いたり、真意を確認し合ったりすることが大切です。
相談できる相手を見つけることも大切
それでもトラブルに発展してしまったら、事態がさらに悪くなる前に「助けて」と発信してほしいと思います。勇気をだして発信することは難しいかもしれません。そんなときは、まわりを見てください。同じクラスに、同じグループに、もしかしたら味方になってくれる友達がいるかもしれません。声をあげていなくても、実はあなたと同じように感じている人がいるかもしれません。
親や学校の先生、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、公的機関の相談窓口などに事情を話し、助けを求めることも、解決の糸口になり得ます。たくさんの事例を見てきた相談員からのアドバイスは、あなたの心の支えになるはずです。
SNSはコミュニケーションツールとして非常に優れています。有意義に利用すれば、あなたの世界をより広げる助けになるでしょう。だからこそ、メディアリテラシーをしっかりと身につけ、リスクを十分に理解して使いこなしたいものです。
東京都の相談窓口
〇SNS等教育相談 – 考えよう!いじめ・SNS@Tokyo
https://ijime.metro.tokyo.lg.jp/sns/index.html
〇こどものネット・スマホのトラブル相談!こたエール
https://www.tokyohelpdesk.metro.tokyo.lg.jp/