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産婦人科(婦人科)では、生理痛がひどい、経血の量が多い、PMS(月経前症候群)、おりものの異常(色が変、量が多い、においがする)、性感染症、妊娠、不妊症などについての相談ができます。基本的にどんな年齢の人でも受診することができ、中学生や高校生で生理についての相談に行く人もたくさんいます。必要に応じて痛み止めや低用量ピルの処方を受けられます。HPVワクチン(子宮頚がんワクチン)を受けることもできます。
泌尿器科では、おしっこすると痛い、おしっこの回数が多い、尿漏れがある、おねしょ、外陰部に痛みがある、外陰部にイボがある、ペニスについての悩み(包茎、大きさやかたち、勃起や射精ができないなど)、陰のうについての悩み(精巣がはれている、痛いなど)、性感染症、不妊症などについて相談することができます。赤ちゃんから高齢者まで、どんな年齢の人でも受診可能です。必要に応じて尿検査や超音波の検査を受けることがあります。飲み薬や塗り薬の処方を受けられます。
予期しない妊娠を防ぐための避妊具は、正しく使うことで効果を発揮します。性感染症の予防にも有効です。自分だけでなく相手のこころとからだを大切にするため、正しい避妊具の使い方を覚えておきましょう。
コンドームは性感染症の予防にもなる避妊具
コンドームは陰茎にかぶせることでバリアになって、セックスのときにお互いの粘膜を直接接触させないようにする道具です。素材は主に「天然ゴムラテックス」「ポリウレタン」「イソプレンラバー」です。天然ゴムラテックスは柔らかくて伸びやすい、ポリウレタンは薄く体温が伝わりやすい、イソプレンラバーはソフトな感触など、それぞれに特色があります。
一番多いコンドームの素材は「天然ゴムラテックス」ですが、1~6%の人は使うとかゆみなどの症状が出るアレルギーがあるといわれています。その場合はほかの素材のものを選んでください。
素材の違いに加え、表面にブツブツとした突起が付いていたり、潤滑ゼリーが付いていたりと、商品によって個性はさまざまで、サイズ展開も豊富です。自分にフィットし、相手も心地よく使えるものを選びましょう。値段は1箱5~10個入りで500~1500円ほどで、ドラッグストア、コンビニ、100円均一ショップなどで購入できます。インターネット通販では、自宅ではなく、近くのコンビニや郵便局で受け取れるサービスが使えるところもあります。お店やネットでパートナーと一緒に選ぶのも、いいかもしれません。
装着時は落ち着いて。起こりがちな「裏表逆」の間違い
初めて使うときは、緊張するかもしれません。慌てて装着すると、破れたり着けるのを失敗したりしてしまうかも。だから、コンドームを購入したら、まず自分だけで練習をしておきましょう。パッケージから出すときに爪を立てたり真ん中を切ったりすると破れてしまうので、コンドームを端に寄せて開け、爪で傷つけないように注意して装着しましょう。
・爪を短く切っておく
・手をきれいに洗っておく
このふたつも、忘れずに。
コンドームの着け方で意外と間違いがちなのが「表と裏」の向きです。逆向きで着けると、うまく巻き下ろせず、きちんと着けることができません。装着前に表裏をしっかり確認しましょう。また、着けてから逆だったことに気づいたら、ひっくり返して着け直さずに捨て、新しいものを着け直しましょう。陰茎に触れた部分を外側にして着け直すと、相手の性器に精液が付いてしまう可能性があります。
・着け直し
・使い回し
・2枚重ね(破れやすくなる)
・使用期限の切れたコンドームの使用
・オイルやシリコンの含まれる潤滑剤を一緒に使う(コンドーム劣化の恐れ)
・セックスの途中から使う(途中からでは性感染症や妊娠を防げない可能性があります)。
これらの使い方は、NGです。
装着する前に
・陰毛が巻き込まれないよう、毛を整えておく。
・仮性包茎の人は、一度包皮をむき、根元側に手で引っ張ってずらしておく。
装着のしかた
1:コンドームを破らないよう、端に寄せてパッケージを慎重にあける。
2:表裏を確認する。
3:コンドームの先の空気だまり(ポコッと飛び出したところ)を指で軽くつまむ(先端に空気が入らないようにするため)。
4:勃起している陰茎の先にコンドームをあてる。
5:根元までコンドームを下ろす。
6:根元まで下ろしたコンドームを途中まで上げる。
7:もう一度根元までコンドームを下ろす(これで陰茎にしっかりとフィットする)。
8:陰茎にしっかりとフィットしているか確認する。
9:射精した後は、精液をもらさないように相手の体内から陰茎を抜いた後に外す(コンドームの口を縛って捨てると、精液がこぼれない)。ベタベタしているのでティッシュなどにくるんでからゴミ箱に捨てるとよい。
万が一、コンドームが破れたり、途中で外れたりするなど避妊に失敗した場合は、緊急避妊薬(アフターピル)を72時間以内に服用しましょう。
緊急避妊薬について
https://www.youth-healthcare.metro.tokyo.lg.jp/story/367
緊急避妊の診察ができる病院検索サイト
https://www.kinkyu-hinin.metro.tokyo.lg.jp/HospitalSearch/top.html
パートナーがコンドームを着けたがらないときには
同意なくコンドームを着けずにセックスをすることは性暴力にあたります。「コンドームを使わないのならセックスはしない」と、はっきりと断って大丈夫です。
断ることで、相手との関係が悪くなったらどうしよう、と思ったら、普段の何げない会話の中で「妊娠や性感染症が怖いし対策したい」「使わないと安心できない」など、相手に自分の気持ちを伝えてみましょう。もしかしたら、パートナーが着けたがらないのは、妊娠や性感染症、コンドームについての知識が不足しているからかもしれないので、この記事もシェアしてみてください。
パートナーにもあなたの性の健康を守る責任があります。セックスに関わるリスクの対処や、コンドームの使用について話し合うことは、安心できる関係性につながります。
避妊具はほかにも
コンドームの避妊率は一般的な使用で85%といわれています。これは1年間に同じ避妊法を使った場合、100人中85人は避妊でき、15人は妊娠する、ということです。理想的な使用で避妊率は98%となります。より効果的な避妊のためにはコンドーム以外の避妊具も使う必要があります。主要なものを紹介します。
・低用量ピル:1日1錠、女性が服用する薬。女性ホルモンが入っており、排卵を止めることなどの作用で妊娠しないようにするが、飲むのをやめると効果はなくなる。きちんと内服していれば避妊率は99.7%。飲み忘れなどがあると、避妊率は93%に下がる。1カ月分で2000~3000円ほど。詳しくは「ピルについてよく知ろう!」
・子宮内避妊具(IUS、IUD):子宮の中に入れる小さな器具で、挿入することによって受精を防ぐ。IUSは、黄体ホルモンを少しずつ放出して子宮の内膜を薄くし、受精卵が着床しにくくするもので、最も多く使われている。IUDには銅線を巻き付け精子の動きを抑えるもの(2023年3月に「在庫がなくなり次第販売中止」と発表)や、プラスチックのみのものなどがある。避妊目的の場合、IUSは6万~8万円、IUDは3万~5万円ほどで、IUSの場合、1度挿入したらピルのような飲み忘れなどの心配がなく、数年間は避妊率99.9%以上の効果を発揮する。子宮内に入れるので出産経験者向きの方法だが、最近は未出産の人でも対応できるクリニックが増えている。
低用量ピル、子宮内避妊具は医師を受診して処方してもらう必要があります。ふたつとも避妊率は高いですが、性感染症予防の効果はありません。コンドームと一緒に使う「デュアル・プロテクション(二重の防御)」をしましょう。
予期しない妊娠は、思いがけずお互いの将来を変えることもあります。避妊具を使うことは自分だけでなく、相手を守ることでもあります。妊娠したいとき以外は必ず避妊具を使用しましょう。