生理

私の生理は大丈夫? 知っておきたい気になる症状

痛みも不調も、我慢しないで

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からだのこと
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この記事でわかること
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産婦人科(婦人科)では、生理痛がひどい、経血の量が多い、PMS(月経前症候群)、おりものの異常(色が変、量が多い、においがする)、性感染症、妊娠、不妊症などについての相談ができます。基本的にどんな年齢の人でも受診することができ、中学生や高校生で生理についての相談に行く人もたくさんいます。必要に応じて痛み止めや低用量ピルの処方を受けられます。HPVワクチン(子宮頚がんワクチン)を受けることもできます。

生理は、女性のからだで生まれた人が、大人のからだになる途中で始まる現象です。あなたは生理について、どんなことを知っていますか? 生理の状態によっては、もしかしたら病気や、良くないことがからだに起こっている可能性もあります。「健康な生理」とはどんなものなのか、産婦人科医の宋美玄(そん・みひょん)さんに聞きました。

まずは生理がきちんと来ているかチェックしよう

生理は、女性として生まれた人のからだが、成長し、やがて赤ちゃんを妊娠するために起こる変化です。

「卵巣」から赤ちゃんの卵である「卵子」が出てくる時期に合わせ、卵子のベッドとなる「子宮」の壁が厚くなるのですが、卵子と精子が出合う「受精」がなかった場合この壁ははがれ落ち、血液=経血となって腟(ちつ)から出てきます。これが生理です。

生理はだいたい25~38日に1回の周期で起こります。まずはこのくらいの周期で生理が来て、3~7日間くらいの期間で出血があるかどうかチェックしてみてください。というのも、中には腟と子宮がつながっていないケースや、子宮が二つに分かれているケース(「双角子宮」や「中隔子宮」など)、子宮や腟がないケース(「ロキタンスキー症候群」)などがあり、場合によっては出血がなく生理が始まっていても気づかないことなどがあるからです。このような異常は全体の5%ほどで、20人に1人と、決して少なくはありません。経血がからだの外に出せないと子宮の中で逆流して「子宮内膜症」などの病気の原因になることもあります。まずは自分のからだに子宮が一つ、卵巣が二つ、卵管が二つ、腟が一つあるかどうかを知ることが大切です。

子宮と卵巣

また、初めての生理「初潮」は通常10~14歳でありますが、早すぎる初潮や、初潮が来ないことには注意しなければなりません。早すぎる初潮は「思春期早発症」といって、成長が止まり背が伸びなくなるなどの問題が起こります。また18歳を過ぎても初潮が来ない場合は「原発性無月経」といって、治療の対象になります。スポーツをがんばっていたり、ダイエットをしたりして食事を制限している人も、生理が止まることがあります。「生理がないのは楽」と思うかもしれませんが、何か病気が隠れていたり、ホルモンバランスの影響で骨折しやすくなったりなどのリスクがあります。生理が3カ月以上来ない場合は、受診してみましょう。

正常な生理のめやす

たよれるのは「かかりつけの産婦人科」のお医者さん。「痛い」「眠い」の相談にも乗ってくれる

「自分のからだの中がどうなっているかなんてわからない」「生理が他の人と違うかも。でもどうしたらいい?」

こんなふうに戸惑う人は、多いと思います。そんなときにたよれるのが「かかりつけの産婦人科(婦人科)」のお医者さんです。「かかりつけ」とは、普段から検査や診察で受診する病院やクリニックのことです。家の近くでもいいですし、「この先生なら話しやすいな」と思うところでも構いません。生理痛がひどいとき、生理が大事な試験や試合と重なってしまいそうなとき、生理前で眠くて授業が受けられないときなどに受診して相談できる――そんな「行きつけ」の産婦人科をひとつ、つくりましょう。検査や診察を怖く感じる場合は、事前に伝えれば配慮してくれます。また同性の医師に診てもらいたいと、希望を伝えることもできます。

産婦人科では、学校に出す診断書を書いてくれたり、ときには薬を処方してくれたりと、あなたの問題を受け止めてくれることでしょう。生理が重くてつらい、大事な行事と重なってしまうなどの場合に処方される薬に「低用量ピル」があります。「ピル」というと避妊のためとイメージする人もいるかと思いますが、避妊だけではなく、重い生理を軽減したり、生理の日程を調整したりすることにも使われています。薬をうまく使って、大事な大会に体調のピークが来るよう調整しているアスリートもいます。もちろん薬なので、飲み始めの吐き気など、副作用もあります。メリット・デメリットを知るためにも、生理で悩んでいる人は一度医師に相談してみましょう。

「フェムテック」も活用! 生理期間を快適に

ときにゆううつな生理ですが、現代の技術を使えば、生理のときに少しでも快適に過ごせるかもしれません。「フェムテック」という言葉を、聞いたことがありますか?

女性のからだならではの悩みやトラブルを、解決しようという新しい言葉です。

女性のからだにとって、生理は一定期間、継続的に訪れるもの、付き合っていくものです。でも、生理を理由に勉強やスポーツ、趣味などを我慢したり制限したりするのは、悲しいですよね。

フェムテックは、そんな問題に社会や企業で向き合い、女性を応援しようという考えをもとにしています。

最近は生理期間を快適に過ごすための商品も多く出てきました。

たとえば、ナプキンをあてていても漏れないか気になってしまう経血の問題。特殊な素材でできた「吸水ショーツ」をナプキンの上からはけば、漏れてしまった経血を受け止めてくれるので安心です。腟の入り口部分につけて経血を受け止める、小さなナプキン状の生理用品なども人気です。

腟やその周囲のデリケートゾーンの汚れが気になる人には、専用のソープもあります。粘膜がある部分ですので、刺激の少ない弱酸性のものがおすすめです。

フェムテックは女性だけに関係することではありません。学校や職場で一緒に過ごす男性が生理についてよく知り、友達や仲間である女性をサポートすることも大切です。

生理は我慢してやり過ごすものではありません。自分のからだのこと、生理のことをよく知って向き合えば、きっと穏やかに過ごせるはずです。まずは身近な医師や保護者に、相談してみてください。